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事業地の新型コロナの状況は?

HOPE-JP • Jun 14, 2021

寄せては返す新型コロナの猛威の波がやみません。医療や経済など、社会が悲鳴を上げている中、始まったワクチン接種は一筋の光になるのでしょうか。

海外への渡航にも制限がかかり、ホープ・ジャパンのスタッフも一年以上事業地に行くことができずにいます。報告書から事業については把握していますが、現地の人たちは元気なのか、生活は新型コロナの影響を受けていないか・・・気がかりなことが山積みです。

カンボジアとエチオピアの現地の様子はどうなのか。現地スタッフに聞きました。 

カンボジア

カンボジアの状況はホープ・カンボジア代表、リーさんに聞きました。

取材日:2021年5月27日


カンボジアでは今年に入ってから新型コロナの感染者数が増えているようですね。


リー:第3波が到来し、2021年2月下旬から5月6日までロックダウン(都市封鎖)が導入されました。首都プノンペンでは2月からお店、企業、官公庁の80%は休業していました。州ごとに緊張状態は違うので、州をまたぐ移動も禁止されていました。

最近ではSNS、ケーブルテレビ、YouTubeなどからカンボジア国内だけでなく、世界の状況を知ることができます。真偽の定かでないような情報もありますが、国民はコロナに敏感になっています。

学校も2月から休校で、特に都市部では厳しく規制されています。カンボジア保健省(the ministry of healt)は再開時期について検討をしているようですが、政府からの正式な発表はありません。


事業地があるポーサット州の感染状況を教えてください。


リー:ポーサット州の保健局によると、州内で初めての感染者が確認されたのは2021年4月5日。5月24日の時点で、累計感染者数は86名、死者1名です。

 

事業地の人たちの様子はどうですか?ホープ・スタッフは事業地を訪問できていますか?


リー:コロナ前より頻度は減らしていますが、ホープ・スタッフは事業地に行っています。訪問する際、スタッフはマスクを着用し、消毒用アルコールスプレーを持っていきます。事業は継続しているので、5~7人の少人数で進み具合を話し合うこともありますが、事業地の人々の感染対策意識は高く、マスクの着用、こまめなアルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保の3つの感染対策を徹底しています。

ワクチンの接種は進んでいますか?


リー:2021年2月からワクチンの接種が始まり、ホープ・スタッフは4月に接種を受けました。接種は無料で受けられます。政府は全ての人がワクチン接種を受けるべきだと言っていますが、まだ多くの人が接種を受けていません。

一日も早く新型コロナが収束し、これまでのような日常が戻ることを願うばかりです。

ホープ・カンボジアスタッフ(オフィスにて)

エチオピア

エチオピアからは、ホープ・エチオピアのスタッフ、アウォカさんに現地の状況を聞きました。

取材日:2021年5月21日


エチオピアでは2021年5月20日の時点で、約26万8千人もの感染者が報告されていますね。オイダ地区にあるホープ事業地の感染状況はどうですか?


アウォカ:今のところ感染者の発生はありません。ただ、PCR検査を受けられる施設が近くになく、感染しても無症状の人が多いので、もし事業地の人が感染していても気付かないのが実状です。


事業地の人たちやホープ・スタッフはどんな感染対策をしていますか?


アウォカ:残念ながら、事業地の人々はあまり感染対策をとっていません。農村部ではパンデミックを軽視しがちで、「風邪にもおよばない」と吹聴する人たちもいるくらいです。保健衛生教育をしっかりやって意識を向上させる必要があると感じています。

現時点では移動の規制がないので、ホープ・スタッフはこれまで通り現地に行くことができます。スタッフはマスクを必ず着用していますし、こまめな手洗いと手指の消毒、ソーシャルディスタンスの確保も心がけています。

ワクチン接種の進行状況はどうですか?


アウォカ:エチオピアでは、2021年末までに国民の20%にワクチン接種を行う予定です。接種は無料で、3月から医療従事者や60歳以上の高齢者、慢性疾患のある人々を優先に始めています。ただ今後のワクチン入荷予定数が少ないため、全ての国民が接種を受けるまでには相当な時間がかかりそうです。


学校の生徒たちはどのように勉強をしているのですか?


アウォカ:2020年3月から11月の間、国内すべての学校は閉鎖されていました。現在は平常に戻っています。閉鎖期間中、都市部の生徒たちはオンラインやテレビの教育番組を使って授業を受けることができました。ですがインフラの整っていない地方の町や農村部となると話は別です。生徒はただ家にいることしかできず、都市部との学習機会の差が明らかになりました。


人々の経済状況はどうですか?


アウォカ:一見何の変化もないように見えますが、国や地方自治体の報告によると、生活環境は悪化し、人々はより貧しくなっています。地元の製品の市場も崩壊しつつあるようです。


以上、ホープ事業地のあるカンボジアとエチオピアの状況を聞きました。


両国ともワクチン接種が思うように進んでいないようです。

事業地の感染を最小限にとどめ、今後も事業を滞ることなく進めるためにも、ホープ・スタッフが一丸となって対策を講じ、現地の人々の生活の基盤を整えることができるよう努めてまいります。

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