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活動を続けていく中で、変わること、変わらないこと。

HOPE-JP • Apr 16, 2023
カンボジアの浅井戸建設から始まった、ホープの活動

カンボジアの浅井戸建設から始まった、ホープの活動

カンボジアでのホープの活動は、2002年ホープ・カンボジアの事務所がある、ポーサット州の中心部付近の井戸建設からスタートしました。最初の井戸は点でしかありませんでしたが、建設を進めるにつれ線になり、今では面となってポーサット州の水供給をカバーし、1万人以上に安全な水を供給してきました。


地形に合わせた水供給、浅井戸から深井戸へ

井戸を建設する場所が変わると地形も変わるため、ホープは地形に合わせた方法で水を供給しています。例えば、高低差が激しいエチオピアの事業地では、高低差を利用した重力だけで広範囲の人々に水を届けられる簡易水道システムを建設しています。


活動開始当初の事業地は平地で、水脈も地表から5〜7m程度。人の手で水脈まで井戸を掘る「浅井戸」を建設していました。一方、カンボジア西部は、野生生物を保護するプノンサムカル保護区やカルダモン山脈がある山岳地域です。事業地が西に移動するにしたがって水脈も深くなり、より深い井戸を掘る必要が出てきました。


現在事業を実施しているビール・ベン地域は、水脈までおよそ10m以上。人の手ではそこまで掘ることができません。工事費用は高くなりますが、重機(ドリル)を使って井戸を掘っています。

カンボジア地図

井戸にポンプを取り付けているところ

井戸の管理は住民たちの手で

井戸の種類が変わっても、住民の関わり方は変わりません。ホープの事業では1基の井戸を、近隣の複数の家族が共同で利用します。井戸を共同利用する家族をWell Users Group(WUG/井戸共同利用グループ)と呼び、井戸の維持管理を行います。


利用者自身で管理することで、井戸を大切に利用してもらう狙いがあります。浅井戸では利用者たちが井戸の建設から関わり、建設現場で井戸の構造を学び、自分たちでメンテナンスをしていました。深井戸になったことで利用者が建設に関わる場面は減りましたが、井戸の調子が悪くなった時の修理の依頼先を把握し、修理代も住民たちで出し合うなど、協力し合って「もしも」の場合に備えています。

カレ・マロ小学校児童の活動発表

井戸の建設はライフラインを確保すること

事業地が変われば、地形も変わり、建設方法も変わります。建設方法が変わることで多くの費用がかかることもありますが、事業地の住民たちが事業に対してオーナシップを持ち、彼らの手で井戸を管理できることを目指す支援アプローチは変わりません。


水は生きて行くために必要不可欠であり、事業地の人々にとって井戸はライフラインです。

今後も活動を続けていく中で、建設方法が変わることもあるでしょう。ライフラインを確保するため、支援を待っている人々に必要な支援を届けるため、現地にあった方法で活動を続けてまいります。

皆さまからのご寄付により、安全な水の供給事業は支えられています。

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