ホープはカンボジアで長年にわたり幅広い支援を行っています。その中の一つがアニマルバンク。貧しい農家に牛を貸出すことで農業を拡大し、彼らが経済的に自立することを目的としています。

 

そのアニマルバンクで貸出す牛から生まれた子牛に名前をつける権利が「牛命名権」。ホープが開催するチャリティーディナーでオークションの賞品として出品され、人気を集めています。

 

でも、なぜ牛を貸出すと自立ができるのでしょうか?

 

牛は自然の肥料を生み出し、力が強いので人の何倍も速く畑を耕します。牛を飼っている農家と、飼っていない農家の収穫量の差はとても大きく、カンボジアの農村部で農業を成功させるためには牛は不可欠なのです。しかし、これまでホープが出会ってきた家族は牛を飼うことができず、作物の栽培に必要な化学肥料を買うため、金利の高い業者からお金を借りるしかなく、日々借金の返済に追われていました。

 

このような家族の自立を支援するため、約18ヶ月間 牝牛(めうし)貸出すのがアニマルバンクです。 貸出期間中に牝牛はよく働き、農業の効率が上がります。効率が上がると収穫量も増え、採れた作物を市場で売ることで家族の現金収入になるのです。それだけではありません。さらに牝牛は子牛を生みます。貸出期間が終わると子牛は家族に引き取られ、ずっと家族と共に生活し農業をサポートしますが、母牛は一旦アニマルバンクに返され、新しい家族のもとへと貸出されます。

このアニマルバンクを継続するため、サポーターの皆さんに子牛の命名権を提供しています。命名権を購入していただいたお金で現地に新しい牝牛を購入し、アニマルバンクを拡大しています。

 

昨年のチャリティーディナーで牛命名権を落札した方は、子牛にMOON(ムーン)と名前をつけました。

 

ここで子牛のMOONとその家族のお話を紹介します。


ソム・チェンさん(46歳)とシム・リームさん(43歳)夫婦は2人の子どもがいる4人家族です。彼らの生活は厳しく、チェンさんはタイの国境まで出稼ぎに出ていました。しかし、仕事の斡旋人に紹介してもらう仕事は月に75ドルほどの収入しかなく、自分が生きていくだけで精一杯。どんなに切り詰めても2~3ヶ月に一度しか家族に仕送りができませんでした。夫が出稼ぎで家を空けている間、リームさんも近所の家族の手伝いをしてわずかな収入を得ていましたが、仕事をしながらも一日数回、子どもたちと小さな運河まで生活に使う水を汲みに行かなければなりませんでした。

そんな彼らの生活が一転したのは、ホープから井戸を受取りアニマルバンクの支援を受けてからでした。家の近くでいつでも安全な水が手に入るようになり、これまで水汲みにかけてきた時間を農作業に費やせるようになりました。作物への水やりにも井戸の水が使え、アニマルバンクで借りた牛のおかげで畑の土が豊かになり、立派な作物がたくさん収穫できるようになったのです。今ではチェンさんも出稼ぎから戻り、家族が一緒に暮らせるようになりました。新しく生まれ、MOONと名付けられた子牛も家族の一員に加わり、夫婦で農作業に励んでいます。


アニマルバンクの牝牛を購入するには一頭当たり8万円が必要です。この金額には牛の購入費用だけでなく、牛への予防接種と家族に対する牛の飼い方トレーニングが含まれています。

 

牛命名権に興味を持たれた方は私たちにご連絡いただくか、7月27日(金)に開催されます東京ホープ・チャリティーディナーにご参加ください。