お米が主食のカンボジア。農村地域であるポーサット州では人口の80%が稲作農家で、伝統的な天水栽培(※1)をしています。しかし、天水栽培では年に1回しか収穫できず、干ばつや天候不順の影響を受けやすいので収穫量が安定しません。食料確保の安定性、栄養面での問題が深刻化し、農家の人々は厳しい生活を強いられていました。
そこで、これまでホープ・ネットワークが実施していた乾季稲作農業の支援に、2019年より日本のホープも参加する形で2019年より乾季稲作プロジェクトを開始しました。現地パートナー団体、Development Family Programme(DFP)と協力し、ポーサット州バカン地区の農家338世帯の収入増加と経済的自立を目標に、安定して収穫できる乾季稲作農業を推進しています。
※1 農業に用いる水を降雨のみに依存する農法
乾季稲作農業には、少ない水量で育つ天候不順に強い品種を使用しています。発育が早く、乾季・雨季にかか
わらず栽培できるので、年に1 回だった収穫が最大3 回収穫できるようになり収穫量が増えます。すると食
料確保の安定性が向上し、家族で食べる分以外のお米を市場で売ることで収入が増加し、経済面での自立が可
能になります。
プロジェクトの主な活動は、乾季稲作農業を持続してくための人材育成(農業委員会の設立)、農家の人々へ
の技術指導、種や農機具、灌漑用のポンプなどの提供です。また、各村にコミュニティー単位で使用できる精
米機を設置し、お米を食べられる状態にするまでのサポートも行っています。
ホープは地域の子どもたちの教育のため、安全で耐久性のある学校建設にも携わっています。さらに学校菜園や給食などのプログラムを進め、教師や栄養不足に陥っている子どもたちの支援を行っています。
カンボジアではそれぞれのプログラムの組合せによってコミュニティーの発展を確実にしています。
2019年~ | 井戸10 基設置、家庭菜園、保健・衛生教育、トイレ45 基設置、マイクロクレジット 事業地:ソムロン村 ※事業地の地質に合わせて井戸の設置方法が変わりました。これまでの井戸は7 メートルほどの深さで手掘 りでしたが、ソムロン村では重機を使い、50 メートル以上の深さの井戸を設置しました。 |
2018年 | 井戸40 基設置、家庭菜園、保健・衛生教育、トイレ40 基設置、マイクロクレジット 事業地:リアム・レイ村 |
2016年~2017年 | 井戸150基設置、家庭菜園支援、保健・衛生教育、トイレ150基設置、マイクロクレジット 事業地:タ・デイス村、トゥール・ポン・ロ村 |
2014年~2015年 | 井戸150基の設置、家庭菜園支援、保健・衛生教育、マイクロクレジット 事業地:プレイク・ワン村、アンクロン村 |
2012年~2013年 | 井戸100基の設置、家庭菜園支援、保健・衛生教育、マイクロクレジット 事業地:ボトロンダル村、カンダル村、プラオス・クバル村 |
2010年~2011年 | 井戸100基の設置、家庭菜園支援、保健・衛生教育、マイクロクレジット 事業地:オロンチャン村、クロルバオ村 |
2019年~ | 農業委員会設立(人材育成)、技術指導、種や資材提供、コミュニティー精米所設置 事業地:バカン地区10村 |
2020年 | 小学校建設、備品設置 事業地:ソムロン村 (Somlanh) |
2019年 | 中学校教室増築、備品設置 アンクロン村 |
2018年 | 中学校教室建築、備品設置 アンクロン村 |
2017年 | 小学校教室増築、備品設置 事業地:タ・デイス村 |
2016年 | 小学校建設、備品設置 事業地:タ・デイス村 |
2015年 | 小学校建設・備品設置 事業地:アンクロン村 |
2014年 | 中学校建設・備品設置 事業地:プレイク・ワン村 |
2013年 | 小学校建設・備品設置 事業地:プテアロン村 |
2012年 | 小学校建設・備品設置、小学校教室増設・給食プログラム 事業地:オロンチョン村、チャン・セレイ村 |
2011年 | 中学校建設・備品設置、小学校建設・備品設置 事業地:オ・ルセイ村、チャン・セレイ村 |
2010年 | 小学校教室増設、備品設置 事業地:ドムナック・カンセイング村 |
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