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世界トイレの日

HOPE-JP • Nov 13, 2020

トイレの記念日って?

「11月19日は世界トイレの日」なんて、おかしな話に聞こえるかもしれません。実はこの記念日は、トイレの重要性にもっと目を向け、みんなで一緒に考えてトイレにまつわる問題を解決していくために、国連によって制定されました。


世界におけるトイレにまつわる様々な問題


世界にはまだ、次のような現実があります

  • 42億人が安全に管理されたトイレを利用できない *1
  • 6億7300万人が野外で排泄をしている *2
  • 毎日700人以上の5歳未満の子どもが(汚れた水や不衛生な環境が原因の)予防可能な下痢性疾患で亡くなっている *3


トイレが私たちの健康と生活にとって、どれだけ大切かを考えたことがありますか?私たちはトイレがあることが当たり前だと思い、その重要性を十分に理解していないかもしれません。実はトイレは私たちが想像する以上に、あらゆる面で私たちに影響を与えているのです。


国連事務総長のアントニオ・グテーレスは、今年7月に「SDGs の目標6(2030年までに安全な水とトイレを世界中に)の目標達成度は計画より大幅に遅れている」と発言しました。 目標6の達成度の遅れは、保健、教育、飢餓、ジェンダー、エネルギー、気候変動など他のすべてのSDGsの目標達成に影響を及ぼします *4 。安全な水とトイレ無くして世界が感染症と闘い、予防することはできません。

エチオピアのトイレ事情

エチオピアはアフリカ大陸でも急速に経済成長をしている国ですが、その一方、毎年約8,500人の子どもが汚れた水と劣悪な衛生状態で5歳になるまでに亡くなっています。同国のトイレへのアクセス率は全世界で最下位と言われており、93%の人が整備されたトイレを利用できていません。 *5 エチオピアの人口は約1億900万人で、日本とほぼ同じです。93%の日本人がトイレを利用できないなんて想像できますか?

エチオピアの現状を想像し、理解するのは難しいかもしれません。しかしこれは、ホープの事業地で直面している課題です。現地保健省とNGOの取り組みによって、一部の地域ではトイレを利用できるものの、整備が不十分で不衛生なことが多く、壁は薄く隙間だらけでプライバシーはほとんどありません。そのため使われていないトイレもあり、今でも野外排泄をしている人も見られ、その結果、人々の健康だけでなく教育、生活にも影響を及ぼします。下痢性疾患や感染症にかかる人が増え、体調を崩した子どもたちは学校に行くことができなくなってしまいます。医療へのアクセスの悪さ、薬を買う資金不足がこの状況をさらに悪化させ、働けなくなり、収入と教育の喪失への負のスパイラルに陥り、生活がますます苦しくなります。


また、エチオピアの学校の60%には安心して利用できるトイレがないか、トイレがあっても不衛生でプライバシーが守られていません。これは女子児童、特に生理が始まった女の子にとっては大きな問題で、学校に行くことが難しくなります。

農村部のトイレへの取り組み

ホープは長年にわたりこれらの衛生問題に取り組んできました。基本的な衛生習慣を促進すると同時に、住民が自分で作れるシンプルな構造のトイレを作るよう指導もしています。きれいな水を利用するための水供給システムを建設し、衛生習慣を根付かせることで、事業地の住民たちの疾病率が減少し、元気に過ごす姿を目の当たりにしてきました。

家族で作った家庭用トイレの前で

世界トイレ機関によると、農村地域の基本的な衛生設備に1ドル投資するごとに、医療費の節約と生産性の向上で5ドル以上の利益が得られるということです。トイレと衛生教育は、生活の改善と貧困の悪循環を断ち切るための基礎となります。



この記事があなたのトイレに対する認識と理解に、新たな光を当てることができたらと願っています。

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