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ホープ・インターナショナル開発機構の貢献について

堤佳奈(在エチオピア日本国大使館) • Feb 17, 2024
ホープ・インターナショナル開発機構の貢献

ホープ・インターナショナル開発機構と外務省

1月、在エチオピア日本国大使館を代表して、ホープ・インターナショナル開発機構(以下「ホープ」)がエチオピアで行なう「住民参加型水供給事業を通じた女性の自立支援事業」の引渡式参加のため、南部エチオピア州オイダ地区に向かいました。この事業は、貧困女性の収入向上のため、エチオピア南部のオイダ地区4つの村において、住民参加型で水供給施設を設置し、水汲みの時間が短縮された女性たちに対して女性グループを形成して研修を行い女性の自立支援を行うものになります。


外務省は、日本NGO連携無償資金協力(通称「N連」)と呼ばれる、開発途上国において日本の国際協力NGOが企画・実施する、政府開発援助(ODA)政策の内容に沿った経済社会開発事業に対してODA資金を供与する仕組みを持っています。この仕組みにより、外務省はホープのオイダ地区での3年間の活動を支援してきました。今回の引渡式は3年間の事業の締めくくりとしてホープが支援した水供給施設をオイダ地区の住民に引き渡すために行われました。

いざ!エチオピア辺境の地へ

普段私はエチオピアの首都アディスアベバに住んでおり、オイダ地区までは最寄りの空港まで1時間、そこから車で5時間かかり、道中、舗装されていない道も通りながら、いくつもの山を越えました。アディスアベバでの都会的な生活に慣れてしまった私は移動中から、こんなに遠いところまで来て日本とエチオピアの方々が協力して活動されていることを肌で感じました。また、私が乗っていたホープの車を見つけて手を振る住民の方をたくさん見かけ、ホープが地域の皆さんに大切に思われていると感じました。

ホープの活動で変わった女性たちの生活

今回の訪問でまず印象的だったことは、ホープの活動で収入を得るようになった女性たちの自信に満ちた笑顔でした。ある女性は引渡式のパネルディスカッションの中で堂々と手を挙げ、自分たちの生活がどんなに変わったか笑顔で発言していました。また実際にホープが活動を行った村では、女性たちで結成された協同組合が話し合いお金を貯め建てた集会所で、仲買のために収集したピーナッツを見せてくれた笑顔の女性に出会いました。ホープが活動する前はほぼ収入が無かった彼女たちが、子どもを学校に行かせたり、必要なものを買ったりできるだけの収入を得て経済的に自立できたことにとても感銘を受けました。これはひとえに、他の団体の支援の行き届かないところまできめ細やかに支援を行う地域に根ざしたホープの活動によるものであり、移動中に見たホープの車両に手を振る方々もきっとホープの活動で何か生活が変わった人たちで、そんな人たちがエチオピアのこの辺境の地には沢山いらっしゃるのだと感じました。

支援の先の自立

今回の訪問で一番印象深かったことは、地域住民が更なる支援に期待したり、依存したりすることなく、自立できたということです。支援というと、食料などの物資を配ったり、学校などの建物を建てたりするような、いわゆる目に見えるものを想像しがちですが、単に物をあげるだけでは自立に繋がりません。女性たちひとりひとりに向き合い、粘り強くトレーニングを行ったホープの細やかな支援により、女性たちは更なる支援に頼らず自立でき、より良い生活を獲得することができました。これからもホープがエチオピアにおいて一人でも多くの人々の生活を向上されることを心より願っています。

ホープの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。

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