現在、世界の人口のほぼ1/3にあたる24億人が、トイレなどの基本的な衛生設備のない環境で暮らしています。(WHO世界保健機関2016)
トイレがなく屋外で排泄をすると、その排泄物から様々な病原菌が水や手、ハエなどを介して体に入り、下痢などの病気の原因になります。トイレが導入されると、トイレがない地域の人々の生活は劇的に変化するのです。たちまち衛生環境が改善され、病気の感染も減少します。囲いのあるトイレはプライバシーを守り、女性も安心してトイレに行けるようになります。ホープがカンボジアで行う水供給・衛生教育プロジェクトは、井戸1基につき堆肥式トイレ1基の建設も含まれているので、大変大きな意味を持っています。
ホープが設置を進めている堆肥式トイレは、シンプルでありながら便利に使える構造になっています。排泄物はパイプを通ってトイレの裏に設置された容器に溜まるようになっており、そこで6か月間自然処理されたのち畑の肥料となります。
パイプの設置には技術が必要です。ホープが派遣する技術者が、井戸とトイレを受け取る家族と一緒にパイプを設置します。派遣されてくる技術者の多くは、ホープの水供給・衛生教育プロジェクトの支援を受けたコミュニティーの出身者なので、安全な水とトイレのない生活の大変さをよく知っています。
また、ホープ・カンボジアのスタッフはトイレの設置後も家族を訪問しています。健康や衛生状況を確認し、井戸やトイレの管理や野菜栽培での堆肥の使用方法などをアドバイスします。スタッフは井戸の設置後も自立まで家族に寄り添い、絆を築いていく中でよい関係を保ち、支援を受けた人の中には井戸とトイレ設置技術者となって協力を続けて下さる方もいるのです。
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