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現地スタッフインタビュー

HOPE-JP • Oct 09, 2018
Partners of HOPE

ホープは途上国のコミュニティーを支援し、貧困の連鎖を止めることを目標にしています。しかし、事業地で自立への取り組みを粘り強く支えている現地スタッフの協力なしにその目標を達成することはできません。

今月は現地スタッフのインタビューをお届けします。エチオピアとカンボジア、それぞれの国で活動を進める彼らの仕事内容や現地スタッフならではの大変さについて聞きました。


ワサン・ギルマ

ホープ・エチオピアスタッフ
プロジェクト・コーディネーター

Wosen Girma, HOPE Ethiopia

ホープに入った理由を教えてください。
ホープが事業を行う地域は、市街地から遠く離れた山間部の僻地です。エチオピアの僻地では支援の手が届いていない人々が大勢います。このような地域で支援を行うホープの姿勢、これまでに行ってきた事業の成果を知り、ホープで働きたいと思いました。

仕事内容を教えてください。
最初は事業地の人々のまとめ役であるコミュニティー・モビライザーとして2年間経験を積みました。現在はプロジェクト・コーディネーターとして事業の管理をしています。継続中、新規の事業を合わせると、今年末には8つの事業の管理をすることになります。スタッフの管理、各事業の申請書の作成、エチオピア国内の関係省庁との調整が主な仕事です。

仕事で大変だったことはありますか?
ホープが事業を行っている地域は、政府や他団体による調査がほとんど行われていません。そのため、ホープ・ネットワークや支援者の方々にしっかりとした情報を提供することが難しいと感じています。国全体を対象にした大規模な調査結果はあるのですが、私たちが活動するエチオピア南部の僻地では、参考になる統計データがとても少ないので、事業目標を設定する際にもとても苦労しています。

やりがいや記憶に残るエピソードを教えてください。
私は学生時代、公衆衛生を専攻していました。基本的にはデスクワークが多いのですが、事業地に行き、地域住民を対象にした保健衛生の研修を担当することもあります。自分の学んだことを伝えていくこと、またそれに対して住民たちが行動で応えてくれることにやりがいを感じます。


アババイヨ・サパ

ホープ・エチオピアスタッフ
コミュニティー・モビライザー

Abebayehu Sapa, Hope Ethiopia

ホープに入った理由を教えてください。
ホープが行っている開発事業が貧困に苦しむ人々に勇気を与え、正しい知識を伝え、経済的に自立できるように支援していると感じたからです。

仕事内容を教えてください。
コミュニティー・モビライザーの仕事は事業がきちんと進むように住民に呼びかけたり、ホープと事業地の住民との連携をサポートしたりすることです。私の担当している地域では住民の識字率が低いので、地元住民と協力して読み書きを教える寺子屋も始めました。他には、大人数を対象にした研修後の戸別訪問。研修で教わったことを正しく実践できているかを確認し、知識が定着するまで戸別でフォローアップを行います。

仕事で大変だったことはありますか?
地域住民のほとんどは読み書きができません。そのため、新しいことを教えることや、彼らの習慣や考え方を変えてもらうことに難しさを感じます。また、事業が終わってホープが撤退してからも、住民自らが地域を持続的に発展させていけるよう技術や知識を習得してもらうことが大きな課題です。

やりがいや記憶に残るエピソードを教えてください。
私も田舎の貧しい家庭で生まれ育ちました。両親が学校に行かせてくれたので、今では家族の生活も大きく変わりましたが、事業地の人々のような暮らしを私自身も経験しています。そんな私が過去の自分と同じような境遇にある人々の手助けができ、彼らの生活が変わっていくことにやりがいを感じています。


ソー・キムソス(通称:ソーさん)

ホープ・カンボジアスタッフ

So Kim Soth, HOPE Cambodia

ホープに入るまでの経歴を教えてください。
ポーサット州の農業局で農業事業を担当していました。ホープで働いていた友人からの紹介で、これまでの仕事経験を生かせるのではないかと思い、2003年にホープへ転職しました。

仕事内容を教えてください。
転職当初は水供給・衛生教育事業に携わっていました。現在は、2006年から始まったマイクロクレジット事業を担当しています。

仕事で大変だったことはありますか?
マイクロクレジットは新しい事業でしたので、どうすれば成果を出せるのか悩みました。集められた情報の活かし方、有益な情報の伝え方など全てが試行錯誤でした。

やりがいや記憶に残るエピソードを教えてください。
長く仕事をしていると、事業によって少しずつ変化、成長していく人々を見ることができます。それが何よりのやりがいです。


セム・キムレン(通称:レンさん)

ホープ・カンボジアスタッフ

Sem Kim Leng, HOPE Cambodia

ホープに入るまでの経歴を教えてください。
ソーさんと同じく、1998年までポーサット州の農業局で働いていました。

仕事内容を教えてください。
ホープに入ってから水供給・衛生教育事業を担当しており、現在はホープ・カンボジア代表のリーさんのアシスタントも兼任しています。

仕事で大変だったことはありますか?
ホープに入った当初は、水供給・衛生教育事業も始まったばかりでした。一から始める事ばかりで大変でしたが、特に「伝え方」には苦労しました。私たちにとっては当たり前のことですが、長年にわたって雨水、水たまり、川の水を日々の生活に使っていた人々に対し、これまで使用していた水を使うことの危険性や安全な水を使うことの重要性を理解してもらうには時間がかかりました。
でも活動を続けていくうちに、私たちホープ・スタッフだけでなく、これまでにホープが事業を実施した地域の住民が、他の地域の人たちに伝えてくれるようになりました。事業の経験者、いわば先輩から直接話を聞くことで影響を受けたり学んだりすることも多いようです。それからは事業がスムーズに進むようになりました。

やりがいや記憶に残るエピソードを教えてください。
事業地の人々の生活が変わっていく様子を見るのが私のやりがいです。事業が始まった時に携わっていた地域の住民は家族のように感じています。一番印象に残っているのは、今はホープで同僚として働いているリアン君の家族です。リアン君の家族はホープの事業で井戸を受取りました。母一人、子一人だったので苦労も多かったと思いますが、お母さんはリアン君を学校にも通わせていました。まだ子どもだったリアン君が裸で走りまわっていたことなど、よく当時の事を冗談交じりで話しています(笑)。


世界各地で働くホープ・スタッフの熱心な活動が事業を支え、カンボジアやエチオピアの何千もの人々が安全な水を使えるようになりました。ホープの海外支援事業について詳しくは こちらをご覧ください。

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