ホープがエチオピアで行うSHGとはSelf Help Group(自助グループ)の頭文字をとった「女性のための自立支援プログラム」の名称です。このプログラムは村に住む女性たちがグループを作り、貯蓄や起業について学び、実践することで各家庭の経済的な自立を促しています。
近年、日本でも女性が活躍できる社会をつくるため多くの議論が重ねられてきました。しかし世界に目を向ければ日本での女性の社会進出は遅れており、国際機関の発表によれば、女性の活躍を測る指数に関しては日本よりも遥か上位にエチオピアがランクインしています。
女性管理職比率 (2018年) | |
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エチオピア | 97位 (27%) |
日本 | 173位 (12%) |
出典 : ILO (International Labour Organization) ※189カ国
女性議員比率 (2020年) | |
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エチオピア | 29位(38.8%) |
日本 | 166位(9.9%) |
出典 : IPU (Inter-Parliamentary Union) ※193カ国
しかし、エチオピアにおいても都市部と農村部では女性の社会的地位に大きな格差があります。ホープが活動する村では男性優位の文化が根強く残り、「女性に教育は必要ない」、「発言する権利もない」との偏見から、水汲みや家事が女性の仕事とされ、活躍の場は限られていました。
SHGプログラムではそんな女性たちにグループとして団結し、自由に意見を交換できる場を提供しています。これまでに参加した女性たちは自分達の才能を活かして、自立するきっかけを掴んできました。村の女性たちは今、男性社会の中でも強くしなやかに生きる術を学んでいます。筆者は同じ女性として、間接的ながらもホープの活動を通し、プログラムに参加する女性にエールを送ってきました。ようやく女性進出の大海原に漕ぎ出した彼女たち。この波に乗って起業し、大きく飛躍してもらいたいと願わずにはいられません。
ホープが支援するカンボジアの事業地でも、エチオピアと同様のSHGプログラムが女性の活躍を後押ししています。起業して得た収入でビジネスを成功させ、それぞれが自立への道を見出し、コミュニティ全体が発展し続けることこそが、このプログラムの目標です。男性だけでなく女性も輝けるコミュニティが生まれることで、村の未来も輝くことでしょう。
執筆:エチオピア駐在員 野澤朱美
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