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新入駐在員、はじめてのエチオピア

勝木 大我 • May 22, 2023

3月中旬、現在ホープがエチオピアでプロジェクトを行っている「サウラ地区」に新しい駐在員の勝木が派遣されました。今回派遣された私(勝木)は、エチオピア、そしてアフリカ大陸に初めて足を踏み入れました。


空港に到着して、私が1番最初に呟いた言葉は、「困ったな」。


そう、エチオピアは公用語がアムハラ語という言語であり、英語を公用語としていません。英語を公用語としない国に滞在するのが初めてであった私にとって、エチオピアでの生活は、大きな困惑からのスタートでした。

勝木はどこでしょう?(後列一番右が勝木です)

苦労が予感されるようなスタートをきったエチオピアでの生活ですが、私が最も衝撃を受けたカルチャーショックは、「動物と共に暮らす人々の姿」でした。


アフリカでは、牛や羊、山羊、鶏が資産として考えられており、ここエチオピアでも動物は、資産や食料としての役割だけではなく、荷物を運ぶなどといった労働者としての側面も併せ持ち、人々の生活に当たり前のように溶け込んでいます。

イギリスで貧困・途上国を研究した私は、多くの文献の中で動物を資産としてとらえ、動物と共に暮らすアフリカの姿も研究してきました。しかし、「百聞は一見にしかず」とは正にこのことであるかのように、道路にでれば動物が溢れ、家に赴けば、多くの動物が共に人間と暮らしている姿に衝撃を隠すことができませんでした。


そんな異世界のように感じられるエチオピアで私が担当する事業は、住民参加型水供給事業を通じた女性の自立支援事業。事業地へは、舗装されていない崖のような山道を車で走ります。舗装されていないので、車の乗り心地は最悪。まるでロデオを経験しているかのうように、車内では暴れる馬にしがみつくような状態が続き、気づけば体と精神が、疲労困憊。コーヒーカップのアトラクションでハンドルを回しすぎた時の状態になってしまいます。

そのような道を走るということは、車が道半ばで行き詰まることもあります。そのたびに近くの石を積み上げて車が通れるように工夫し、川が溢れ行く手を阻んでいても、なんとか石を敷き詰めて道を作ります。度重なる雨で道が没落し、現場に行く途中で断念、引き返すことも多々あります。そうやって苦労して車を走らせること数時間。ようやくプロジェクトの現場に行き着くのです。

そんな現場で、私が目にしたのは、現地の人々の溢れんばかりの笑い声でした。オイダ地区の事業は3年目の最終年に突入し、多くの現場で、貧困から抜け出した人々が自身のビジネスを行い、自立した生活を送り始めています。現場には、私がこれから行う事業の希望の姿と、私がエチオピアに来た理由がありました。


アフリカでプロジェクトを行うことは決して簡単なことではないけれど、それでも、ホープの活動は今日も多くの人の生活の基盤となっています。

皆様からのご寄付により、安全な水の供給事業、女性の自立支援事業は支えられています。

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